MFTって具体的に何するの?口腔筋機能療法の内容や期間を徹底解説
2024/12/26
こんにちは。宇都宮市(雀宮、上三川町)のこうだい歯科です。
子どもの指しゃぶりやぽかん口が気になりインターネットでMFT(口腔筋機能療法)という言葉を発見した方、大人になってから自身の舌癖や悪習慣に気づいてMFTという言葉にたどり着いた方など、MFTを調べている方の多くは、自分や家族に何かしらの口腔トラブルを抱えている方かと思います。
また、MFTが口や舌のトレーニングであることはわかっているものの、その具体例や治療にかかる期間や具体的な内容がわからないという方も多いのではないでしょうか。
MFT(口腔筋機能療法)とは
MFTとはOral Myofunctional Therapyのことであり、日本語では口腔筋機能療法といいます。
その言葉が表す通り、口や舌の機能を改善するための治療を意味しており、主に歯科医院で受けることができます。
小児向けのMFTを取り扱っている歯科医院が多いですが、大人の方にとっても意味がある治療となっており、成人向けのMFTに対応している歯科医院もあります。
MFT(口腔筋機能療法)の目的
MFTの目的は、口や舌の筋肉を鍛え、正しく使えるようにトレーニングすることで、歯並びやかみ合わせの悪化を防ぐことです。
また、矯正治療後の後戻りを防ぐために行われることもあります。そのほか、エイジングケアの観点からMFTに取り組む方もいらっしゃいます。
MFTを受けるべきかどうか迷った際は、下記のチェックポイントを参考にしてください。
当てはまっている癖や習慣があれば、正しく舌や口の機能を使えていない可能性があります。
安静時に、歯と歯の間から舌が出ている
安静時に、舌が前歯に触れている
口呼吸をしている
気づくと口を開けている
口を閉じたときに、あごにしわができる
サ行やタ行の滑舌がよくない
MFT(口腔筋機能療法)のメリット
歯並び悪化の予防・矯正治療後の歯並び持続
MFTによって口や舌を正しく使えるようになると、口周りの発達が正常に促され、歯並びが乱れにくくなります。
頬杖や爪かみといった悪習慣があった場合には、それらが解消されることで歯並びやかみ合わせの悪化リスクを減らすことができます。
また、そのような悪習慣や舌癖によって歯並びやかみ合わせが悪化していた場合、矯正治療を行っても、その癖が残っていれば後戻りの可能性が高くなってしまいます。
そのため、矯正治療とともにMFTを行うことは、矯正治療の作用を長期間持続させるためにも役立ちます。
発音の改善
きれいに発音するためには、舌を正しく使うことが欠かせません。
MFTで舌の使い方のトレーニングをすることで、舌を正しく動かせるようになり、発音や滑舌も改善します。
咀嚼・嚥下機能の改善
MFTでは、食べ物を口の中ですりつぶしたり、飲み込んだりするためのトレーニングも行います。
「ものを食べるときにくちゃくちゃと音がする」「食事に時間がかかる」「食べこぼしが多い」といった食事の際のお悩みがある場合には、このトレーニングを続けることで改善が見込めます。
呼吸の改善
口呼吸が習慣になっていた場合、MFTで鼻呼吸にするためのトレーニングが行われます。
口呼吸には、風邪やインフルエンザなどのウイルスに感染しやすくなる、虫歯や歯周病のリスクが上がる、口臭が悪化する、歯並び悪化のリスクが上がるといったデメリットがあるため、鼻呼吸にすることでこれらのリスクを下げることができます。
MFT(口腔筋機能療法)の流れ・方法
MFTは、一般的に「検査」「診断」「トレーニング」という流れで行われます。
検査方法は歯科医院によって異なりますが、お顔や口腔内の写真撮影、ものを食べている際の動画撮影、舌の動かし方や嚥下方法のチェック、舌の厚みや長さの測定、口唇閉鎖力検査などが基本です。
そのほかに、レントゲン撮影などを行う場合もあります。
基本となるトレーニング方法としては、スポットポジショントレーニングがあります。
これは、安静時に舌を置くべき、正しい位置を覚えるためのトレーニングです。
また、口呼吸が癖になっている場合には、鼻で呼吸するトレーニングから開始します。
そのほか、舌を持ち上げるためのトレーニングや、口を閉じておくための唇のトレーニングなどがあります。
トレーニング方法は、舌・口・飲み込み・呼吸・姿勢・口唇・顔面筋など複数の分野で、それぞれいくつもの種類があります。
人によって必要となるトレーニングの種類や適するトレーニングレベルは異なるため、歯科医師の診断を受けたうえで進めていきましょう。
自宅で取り組める種類のトレーニングもあるので、焦らず地道に続けていくことが大切です。
MFT(口腔筋機能療法)の期間
MFTは、少なくとも半年から一年ほどのトレーニング期間を要します。
癖が強い場合や、大人になってからの治療で改善に時間がかかる場合には、数年間かかる可能性もあります。
できる限りトレーニングをスムーズに進めたい場合には、歯科医師の指示のもとで行うセルフトレーニングを、さぼらずに継続させることが大切です。
治療内容によって違いがありますので一概にはいえませんが、その間の通院頻度は、2、3週間に一度が目安です。
一回の診療時間は30分~1時間ほどとなっており、トレーニングがうまくいっているかどうかの確認や次のトレーニング内容の説明などが行われます。
まとめ
MFTは結果がすぐには現れないこともありますが、幼い頃から癖を改善していくことは、お子さんの将来にとって本当に大きな贈り物になります。
たとえば、呼吸や姿勢が改善されることで、健康面での課題が減り、大人になったときに病気や不調に悩まされにくくなるでしょう。また、歯並びや顔立ちが整うことで自信を持つことができ、学校生活やその後の社会生活での人間関係にも良い影響を与えます。
お子さん自身も、少しずつ「できるようになる」達成感を感じながら、自分の成長を楽しむことができます。その過程を、親としてそばで見守り支えることは、かけがえのない喜びでもあります。
私自身、子どもを持つ親として、日々の育児の中で「これでいいのだろうか」と悩む気持ちや、子どもにとって良いことをしてあげたいという想いを深く理解しています。
私たち歯科医は、親御さんの気持ちを大切にしながら、お子さんが健やかに成長できるよう全力でサポートいたします。
一緒に一歩ずつ、未来の健康と笑顔を育んでいきましょう。