親知らずの抜歯
- 親知らずがまっすぐに生えており上下の親知らずと咬み合っている
- むし歯や歯周病の症状がなく、周囲の歯に悪影響を及ぼしていない
- 歯茎が覆いかぶさるなどのトラブルがなく、歯磨きがしっかりと出来ている
- 親知らずが斜めや横向きに生えている場合
- 親知らず自体が、むし歯や歯周病になっている場合
- 歯茎が上に覆いかぶさっている場合
- 咬みあわせがあっていない場合
- 矯正治療を考えている場合
「親知らずがあるのだけれど、抜いた方が良いのか知りたい」
「親知らずを抜きたいけれど、痛みや腫れが怖くて踏み切れない」
親知らずの抜歯は事前にしっかりと診断し、抜歯によるリスクを洗い出していくことがとても大切です。
そもそも親知らずを抜く必要性があるのかどうか、抜く場合は痛みや腫れ、術中・術後のリスクはどのぐらいあるのかなどを事前にご説明します。
CTによる精密分析
レントゲン写真では、親知らずの歯がどのように顎の骨に埋まっているのか、神経が親知らずと接触しているかどうかの確認が正確に行えないため、CT撮影をして親知らずの埋まり方や歯根の形、神経や血管との距離など正確に診断する必要があります。
抜歯後の痛みや腫れについて
抜歯時にはしっかり麻酔をしますので、痛みを感じることはありません。
抜歯後の腫れや痛みは、薬の服用によりコントロールしていきます。
まれに術後感染やドライソケットなどの合併症を生じることがあります。
術後感染
術後感染は、指示された抗生物質をしっかりと服用することで予防することが出来ますが、口腔内が不潔な状態の場合、患部に細菌が感染しやすくなってしまうため、抜歯前に口腔清掃をして口腔内の細菌を少しでも減らしておくと、さらにリスクを軽減することが出来ます。
また、免疫力が低下している場合も術後感染しやすくなってしまいますので、抜歯後はなるべく安静にし、激しい運動や飲酒は避けましょう。
ドライソケット
「ドライソケット」とは、親知らずなどを抜歯した後の穴がふさがらず、骨が露出してしまう状態のことを言います。
その穴に汚れなどが入り込み露出した骨に細菌が感染してしまうことで炎症が起き、激しい痛みを引き起こします。
抜歯後、3~4日経過して、薬を服用していてもまだ激しい痛みが続く場合は、「ドライソケット」が疑われますので、歯科医師にご相談ください。
親知らずは、抜いた方が良いとは限りません
親知らずというと、「なるべく早めに抜くべきもの」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
確かに、現代人は昔に比べて顎が小さく、親知らずが歯列にきれいに収まらないケースが増えているため、歯列不正や斜めに生えるなどといったトラブルを起こしてしまう親知らずが増えているのは事実です。
ですが、中には正常にまっすぐ生えている親知らずもありますので、親知らずだからと言って必ずしも抜かなくてはいけないわけではありません。
親知らずの抜歯には少なからずリスクが伴うものですので、親知らずを抜くかどうかの判断は慎重に歯科医師と相談されることをおすすめします。
抜かなくても良い親知らず
下記の条件を満たす親知らずであれば、無理に抜歯する必要はないでしょう。
状態のいい親知らずは、ほかの奥歯が悪くなって抜かなければならない場合に、その部分へ移植(自家歯牙移植)することができる可能性もありますので大切にケアしながら、将来のリスクのために温存しておくことをおススメします。
抜いたほうが良い親知らず
親知らずが口腔内や周辺の歯に悪影響を及ぼしている状態であれば、できるだけ早めに抜いたほうが賢明です。
また、将来的に悪影響を及ぼすことが予想される場合でも、若いうちに抜いておいた方が良いでしょう。
顎の骨は20代後半から徐々に硬くなっていきますが、骨が硬くなると抜歯に時間がかかってしまうため、若い人と比較して術後の腫れや痛みが強くなる傾向があります。
また、年を重ねると免疫力が落ちて術後の回復が遅くなりますし、女性の場合ですと、妊娠出産時期には女性ホルモンの関係で歯周病リスクが高まるため、親知らずが炎症を起こしてしまうケースもあります。
妊娠中の親知らずの抜歯や、高齢になって体力・免疫力が低くなってからの抜歯はなるべく避けたいですので、下記のような場合は早めの抜歯をおすすめします。